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北海道犬

北海道にたくさんいる“天然記念物”になってしまっている生き物たち!!

これまでたくさんの“天然記念物”を紹介してきましたが、今回も早速、いきましょう~~。

以前にも「アイヌ犬」として一度ご紹介した「北海道犬」について、更に詳しくお教えしたいと思います^^!!

まず初めに・・・北海道犬は、昔“アイヌ犬”と呼ばれていましたが、天然記念物に指定された時から“北海道犬”という呼び名に変更されました。
“アイヌ犬”と呼ばれている通り、何千年という遥か昔から、アイヌの人たちと共に暮らしていたこのワンちゃん!!

北海道の大自然の中で暮らしていた“北海道犬”は、北海道の風土に順応してきた原種犬で、狩猟犬であるのですが、特に、先祖から受け継いだ“強い獣猟性”を持った純粋の「日本犬種」なのです。

見た目は、日本でも馴染みのある“柴犬”や“秋田犬”によく似ているので、とても可愛らしいんですよ~^^♪

当時、アイヌの人たちは集落を形成し、日常生活ではクマやシカを獲って生活をしていました。
そして、その狩りに行く時には、“使役犬”として北海道犬が主人のお供をし、立派な助手として大きな戦力になっていたんだそう!!
現代社会でも、警察犬などは、とても役に立つ犬として頑張っていますが、日常生活の中での“犬”といえば、ご主人を癒してくれる存在ですよね~^^!!当時の犬は、しっかり人間の役に立っていたんですね・・・!!素晴らしい!!

更に時には、クマやオオカミなどから主人や家族を守る“護身犬”としても活躍していました。自分の身を犠牲にしてまでも、ご主人様やその家族をも守ろうとするなんて、賢すぎますよね・・・!!

北海道犬というのは、ただ北海道に生息する犬という事だけではなく、特質も素晴らしいのを知っていますか^^?

厳しい寒さになる“北海道”
そのためには、真冬の“マイナス気温”にも耐えられるような犬でなければいけません。北海道犬は、夜、雪の中に埋まり、朝になると雪の中から出てくるというように寒さにも耐え凌げる強さを持っています。普通の犬ならば、凍死してしまいますよね・・・。

なぜそんなに寒さに強いのか・・・というところですが、その秘密は“被毛”にあります^^

一般的な日本犬と比較して厚くできており、優れた“毛質”を持っているのです。
更に、胸部の発達した堅固で力強い体型も、その一つの特徴!!

現代のように人によって“改良”されたのではなく、アイヌ民族と共に発達してきた“原始犬”なので、まさに“本物”だと思います^^

シマフクロウ

目:フクロウ目
科:フクロウ科
全長:65~70cm
翼開長:175-190cm
体重:オス3.1kg~3.6kg、メス3.6kg~4.4kg

最近は見た目の可愛らしさからフクロウカフェなんてのも流行ってますね。
フクロウと一度触れ合うとその魅力のとりこになるのだとか・・・。
ペットに飼いたい!もしくは飼ってる!なんて人もいるんじゃないですか?

そんなフクロウの中で一番大きいと言われていて、可愛らしいと言うよりは凛々しい顔立ちをした「シマフクロウ」という和名のフクロウがいます。

日本では1971年に国の天然記念物に指定されています。
また、1993年には種の保存法施行に伴い国内希少野生動植物種にも指定されました。

ちなみに「シマフクロウ」の「シマ」は北海道という島に生息することからきているそうです。

尾羽は短いけど翼と耳羽が長くて幅広。灰褐色の体で胸腹部には黒色の縦じま模様。

かつては北海道の広い範囲に生息していたけれど、木の伐採によって住む所がなくなったり、水質の悪化や河川の整備によって餌が取れなくなったりして、数が減っていき今では絶滅が心配されています。

夫婦で縄張りを作って、ずっと同じ場所で生活をするようです。
河川沿いに約10~15kmが行動範囲。
一生同じ夫婦で暮らし、繁殖は毎年するけれど、その成功率は高くないようです。
2月初旬から交尾し、2月末~3月中旬にかけて1~2個の卵を産みます。
卵は約35日で孵化。4月上旬~下旬にかけてですね。
孵化してから約50日で巣立ち。5月下旬~6月中旬かけて。
巣立ってから1~2年は親の近くで生活し、その後は旅立って行くようです。
繁殖をし出すのが、3~4歳とされているみたいです。
寿命は飼育されたもので30年程度。野生での寿命はわかっていない。

主にカレイやサケなどの魚を食べるけど、ウサギ、コウモリ、ネズミ、リスなども食べる。
ウサギやリスってけっこうエグイですね・・・。あまり想像したくない・・・。

一気に説明しましたが、だいたいわかっていただけましたか?

保護活動の一環として、広葉樹の苗木を植えてシマフクロウが生活しやすい森を作ったり、巣箱の設置や、冬にはいけすによる餌やりをしたりとさまざまな対策を行っています。
また、シマフクロウの生息地を保護区や保護林に指定するなどの対策も行っています。
繁殖成功数は増えているものの、減ってしまった生息地はなかなか元には戻らず、シマフクロウの数は増えないようです。

数が減っていく理由によくある、住む所の減少や車による事故というのは、ほとのど私たち人間の生活の便利さの犠牲なんですよね・・・。
せめて保護活動が実をむすんでほしいです。

クマゲラ

ご存知の通り、黒い身体に頭の赤がかっこいいキツツキの一種。

日本では、北海道と秋田県・青森県などの東北のごく一部での生息も確認されていますが、森林伐採などによる生息地の減少によりその姿もなかなか見られないようになってきているのが現実です。

赤い後頭部が印象的ですが、オスとメスではその面積に違いがあります。
メスの場合は後頭部のみですが、オスの場合は額から後頭部にかけて赤色がはっきりと見えますので、もし遠くから見かける様なことがあったら、そこで見分けがつきます。
体長は、45〜57センチ程度で、日本に生息しているキツツキの仲間の中では最大で、名前にある“クマ”はクマゼミ同様“特大の”という意味。
また、クマゲラは、他のキツツキが丸い巣穴を開けるのに対して、楕円形の船の様な形の巣穴を彫る事からアイヌ語ではチップタッチカムイ(=船を彫る神)と呼ばれ、熊の居場所を教えてくれたり、道案内してくれると言い伝えられているのだとか。
動物学的な話をすると、木を突いているのは、エサであるアリを探したり、求愛の合図だったり、威嚇や縄張りの宣言などになっているそうです。

クマゲラは、緑の深い森林に生息し、その中で幹が平で滑らかな樹木を好んで地上4〜10メートル辺りに巣を掘って生活します。
5月下旬頃に3個前後の卵を産むと、オス・メス交代で卵を温めますが夜はオスがメインで卵のお守りをし、1ヶ月後にはヒナが誕生し、更にその1ヶ月後頃から巣立ちがはじまります。
クマゲラのオスは“イクメン”のようで、卵からかえった雛のお世話も殆どオスが行ない、巣立ちを促したり、見事巣から飛び出せるようになった後も、暫くはオスがエサを与えたりします。
そうして、雛鳥が完全に巣立てば、その年の10月には、もう家族としてのまとまりはなくなってしまうそうです。
(その間メスは一体何をしているのか非常に気になるのですが、調べても見つからなかったので、どなたかご存知でしたら教えて下さい。)
ただ、親鳥は子どもたちが巣立った後も、同じ巣穴に暫く住み続け、その期間は年単位になる事もあるそうですので、一度巣穴を見つけたらクマゲラの邪魔にならないように観察し続ける事も可能です。

ただ、クマゲラの数が減少しているのは、住処の減少だけではなく、そうした写真撮影目的の人々が押し寄せてしまい、クマゲラの縄張りが荒らされていることも原因のひとつなのです。
貴重な生き物の写真を撮りたい気持ちも分かりますが、森林は人間のルールだけがあるわけではない事をしっかり肝に銘じたいものです。

タンチョウ

目:ツル目
科:ツル科
形態:全長90〜150cm、翼を広げると2m50cmにもなります。
嘴峰160~170mm、翼長625~664mm
尾長240~275mm、ふ蹠266〜314mm
雄雌同色。
頭頂は赤い皮膚が裸出(50mm)していて、興奮すると100mmになります。
体と尾羽は白色で、足、眼先、喉、光彩と脚、翼の次列風切と三列風切、前頸から後頸にかけて黒い色です。嘴は黒っぽい黄色で先端から3/2のところに鼻孔があります。
鳴き声:オス「クッ クッ」メス「クァッ クァッ」と鳴きます。
特別天然記念物のタンチョウは釧路付近に留鳥として生息し、国内最大の鳥類として知られています。『丹頂鶴』といわれるように、鶴の仲間です。日本でツルと言えばタンチョウを思い浮かべる人も多いことでしょう。

私も実はその一人でした。
タンチョウといえば釧路湿原というイメージが広く浸透していますが、タンチョウの営巣地は、霧他布湿原なども含めた釧路管内、さらに風蓮湖などを中心とした根室管内に集中します。最近では遠く離れた道北のサロベツ原野などでも観察され話題となりました。

えさは、虫類、小魚がメインでザリガニも食べるとか。小麦、とうもろこしなど穀物も意外と何でも食べます。冬の大湿原では、群れをなして人里近くにやってくるため、冬のタンチョウのイメージが強いです。しかし、春になるとつがいになり、湿原地帯を営巣地として、国内のツルの仲間では唯一繁殖する鳥です。

踊るタンチョウの写真です。
http://www.epochtimes.jp/jp/2010/01/img/m17411.jpg

北海道のタンチョウも一時は危機的状況に陥りました。江戸時代には北海道全域に(及び渡りで東北地方も)生息していたとされていましたが、明治時代の開拓時期に減少を続け、絶滅か?と思われたこともありました。

その理由は
①乱獲
②湿原地帯の水田等への転用

この二つが主原因としてあげられています。しかし、絶滅したかと思われていたタンチョウが1924年に釧路湿原の鶴居村で10羽以上発見され、保護への動きが加速しました。1935年には天然記念物に、1952年には特別天然記念物に指定されました。

1950年の冬に旧阿寒町のある農家が始めたとうもろこし給餌活動が成功し、冬季に餓死することがなくなったタンチョウが増え始めました。

今では、冬季には人里付近、特に給餌場のある付近に集結する“習わし”になっていてこれが越冬のようなものになっています。逆に人に馴れすぎて農作物を食べたり、牛舎に入り込んだりすることも起きていて悲しいことに害鳥とみなされることもあるようです。すべての行動は人間がまねいたこと。これ以上絶滅させないためにももっと住みやすい環境をつくってあげたいものです。

アイヌ犬

目:食肉目
科:イヌ科
体高:オス47〜53cm メス42〜48.5cm
体重:15〜30kg
寿命:15年前後
分布:北海道 食べ物:雑食

『アイヌ犬』

北海道内で広く見られる中型犬です。読み方は「ほっかいどういぬ」「ほっかいどうけん」「あいぬいぬ」「あいぬけん」と読むほか、「道犬」(どうけん)、またアイヌが呼ぶ「セタ」「シタ」など、いろいろな呼び方があります。 1869年イギリスの動物学者トーマス・W・ブラキストンのよりアイヌ犬と命名されました。しかし戦前の1937年12月、当時の文部省により天然記念物に指定され、あわせて正式名称を「北海道犬」と定められていることから、公式には北海道犬と呼ぶようです。 アイヌ犬の祖先は、大和民族が北上したとき一緒に移った中型の獣猟犬(マタギ犬)であるようです。北海道の先住民族であるアイヌが、クマやそのほかの動物を狩る獣猟犬として飼育してきた犬ですが、現在はペットとしても飼育されています。

小さな北海道犬“ヒビキ君”です。

 こんなにもふもふしていて、可愛い犬が狩りをしていたなんてなんだか信じられませんね。アイヌ犬の特徴として三角系の小さな「立ち耳」と、目尻が吊り上がった三角形の小さな目。背中の上に巻いた“巻き尾”が可愛さを強調してます!!
 毛は硬く長い毛と、短く柔らかい毛の二重構造の被毛をまとっています。色は白がよく見られますが、赤・黒・虎・胡麻・狼灰のいずれかもいるようです。性格は飼い主に忠実で勇敢、大胆、怖いもの知らず。 そして野性味が強く我慢強いので寒さにも強く粗食にも耐えます。健気ですね~。。。
 だからこそ北海道の大きなヒグマにも、勇敢に立ち向かい北海道の厳しい自然環境にもよく耐えるパワフルな犬なんですね。 2007年よりシリーズ化して放送されている、あの有名なソフトバンクモバイル「ホワイト家族24」のCM。なんとあの『お父さん犬』こそが北海道犬なんですって、皆さんはご存知でしたか?湘南動物プロダクションに所属の「カイ」くんは、北海道の「海」にちなんで名付けられています。こんなに勇敢でかっこいい北海道犬は、これからも“生きた天然記念物”と言われるくらい長生きしてもらいたいものですね。