落石岬(おちいしみさき)は北海道根室市の根室半島の付け根に位置している、太平洋に突き出した岬です。海岸沿いは断崖絶壁で、絶壁の岬の先端には落石灯台が建っていて、その手前には落石湿原が広がっています。「北海道三大秘岬」にも選ばれている岬なんですよ。
環境保全地域になっているため、岬内には公衆トイレはもちろん、コンビニやお土産物屋さんなどの施設が一切ありません。また、車の乗りれも禁止になっているので、駐車場から約1.5キロを歩いて散策することになります。まぁ、景色を楽しみながらの散歩だと思えば1.5キロもあっという間だと思いますよ。
この落石岬は国内でもすごく珍しくて貴重な「サカイツツジ」が自生する場所でもあります。サカイツツジが咲くのは国内ではこの落石岬だけだと言われています。見頃は5月中旬から6月中旬で紅紫色の花を咲かせるんですよ。落石岬でしか見ることのできない日本で唯一の光景と言えますね。
日本でここだけって言われたらやっぱり行きたくなりますよね。その日本で唯一の光景を見によく観光客が訪れるのですが、2008年に観光客がけがをする事故があり、当時管理していた根室海上保安部によって閉鎖されてしまいました。それでも閉鎖されて立ち入り禁止になっているのを無視して見に行っていた人もいたようで、見たい気持ちもわかりますがやはり禁止されているところには入っていけませんよ!
けれどそんな落石岬を根室市が買い取って補修を行い、2010年6月からサカイツツジの見頃に合わせて一般開放が再開されました。おかげでまたサカイツツジや落石岬からの景色を見ることができるんです。一般開放が再開されてほんとによかったです。せっかく再開されたのがまた閉鎖されてしまうことのないように、訪れる際はケガや事故には十分気を付けましょうね。
それにしても北海道内ならどこでも咲いてそうですが、どうして落石岬でしか咲かないのか気になりませんか?それはですね、気候によるものなんです。サカイツツジは寒いところが好きな花。北海道内といえど、場所によって天気だったり気温だったりは違ってきます。落石岬はつねに海からの冷たい風が吹いているのと、霧がしょっちゅうでていて太陽の光が当たりにくく気温が上がらない。こういったことがサカイツツジが好きな樺太の気候に似ているからなんです。だから北海道でも落石岬でしか咲かないんです。
それで、サカイツツジが自生する南現地として「落石岬のサカイツツジ自生地」は国の特別天然記念物に指定されているのです。