目:ツル目
科:ツル科
形態:全長90〜150cm、翼を広げると2m50cmにもなります。
嘴峰160~170mm、翼長625~664mm
尾長240~275mm、ふ蹠266〜314mm
雄雌同色。
頭頂は赤い皮膚が裸出(50mm)していて、興奮すると100mmになります。
体と尾羽は白色で、足、眼先、喉、光彩と脚、翼の次列風切と三列風切、前頸から後頸にかけて黒い色です。嘴は黒っぽい黄色で先端から3/2のところに鼻孔があります。
鳴き声:オス「クッ クッ」メス「クァッ クァッ」と鳴きます。
特別天然記念物のタンチョウは釧路付近に留鳥として生息し、国内最大の鳥類として知られています。『丹頂鶴』といわれるように、鶴の仲間です。日本でツルと言えばタンチョウを思い浮かべる人も多いことでしょう。
私も実はその一人でした。
タンチョウといえば釧路湿原というイメージが広く浸透していますが、タンチョウの営巣地は、霧他布湿原なども含めた釧路管内、さらに風蓮湖などを中心とした根室管内に集中します。最近では遠く離れた道北のサロベツ原野などでも観察され話題となりました。
えさは、虫類、小魚がメインでザリガニも食べるとか。小麦、とうもろこしなど穀物も意外と何でも食べます。冬の大湿原では、群れをなして人里近くにやってくるため、冬のタンチョウのイメージが強いです。しかし、春になるとつがいになり、湿原地帯を営巣地として、国内のツルの仲間では唯一繁殖する鳥です。
踊るタンチョウの写真です。
http://www.epochtimes.jp/jp/2010/01/img/m17411.jpg
北海道のタンチョウも一時は危機的状況に陥りました。江戸時代には北海道全域に(及び渡りで東北地方も)生息していたとされていましたが、明治時代の開拓時期に減少を続け、絶滅か?と思われたこともありました。
その理由は
①乱獲
②湿原地帯の水田等への転用
この二つが主原因としてあげられています。しかし、絶滅したかと思われていたタンチョウが1924年に釧路湿原の鶴居村で10羽以上発見され、保護への動きが加速しました。1935年には天然記念物に、1952年には特別天然記念物に指定されました。
1950年の冬に旧阿寒町のある農家が始めたとうもろこし給餌活動が成功し、冬季に餓死することがなくなったタンチョウが増え始めました。
今では、冬季には人里付近、特に給餌場のある付近に集結する“習わし”になっていてこれが越冬のようなものになっています。逆に人に馴れすぎて農作物を食べたり、牛舎に入り込んだりすることも起きていて悲しいことに害鳥とみなされることもあるようです。すべての行動は人間がまねいたこと。これ以上絶滅させないためにももっと住みやすい環境をつくってあげたいものです。